ラジスマ 「発売開始記念式典」レポート1

「発売開始記念式典」レポート1
「ラジスマ」とは?
機能のメリット・全容が明らかに

2019.03.07

2019年3月6日(水)、「ラジスマ発売開始記念式典」(主催:日本民間放送連盟ラジオ委員会 協力:株式会社NTTドコモ、KDDI株式会社、富士通コネクテッドテクノロジーズ株式会社、京セラ株式会社、株式会社radiko)が開催された。当記事ではこの式典の様子をレポートする。

式典で発表されたのは、通称:ラジスマと呼ばれる新機能と、それを搭載したスマートフォン2機種だ。

その2機種は、富士通コネクテットテクノロジーズの「らくらくスマートフォンme F-01L」と、京セラの「URBANO V04」。radikoにFMチューナー機能を加えた「radiko+FM」アプリがプリインストールされ、放送局から送信所を経て届くFM放送と、ネット回線を通したストリーミングの2系統が同一アプリ上で聴取でき、かつアプリ上で簡単に切り替えることができる。

ラジスマの普及は、
ラジオにとって千載一遇のチャンス

式典ではまず、岩崎正幸 日本民間放送連盟(民放連)ラジオ委員長が「ラジスマの実現により、メディア環境の変化に対応し、生き残っていくための新しいツールを我々民放ラジオは手に入れることができました。ラジスマの普及は、つまりラジオの普及。ラジオにとって千載一遇のチャンスです」と開会の挨拶を述べた。

続いて、石田真敏 総務大臣(國重徹 総務大臣政務官が代読)による「通信回線と放送の利用をワンタッチで切り替える事ができるなど、利用者にとって双方のメリットを容易に生かすことができる利便性の高いサービス。スマートフォンの飛躍的な普及に対応したラジスマのようなサービスを提供することは、今後、ラジオ業界が発展していくために非常に重要なこと」という期待が紹介された。

ラジスマ端末の対応キャリア2社からも祝辞が述べられた。阿佐美弘恭 NTTドコモ副社長は「ラジスマは、この商品(らくらくスマートフォン)のターゲットユーザーであるミドル層からシニア層に非常にご好評を受けるサービスなのかなと、これからの展開を期待しているところです」と語り、石川雄三 KDDI副社長は「FMチューナーを2003年から(auの)携帯電話に載せさせていただきまして、(これまで)その数93機種。そこにさらに(ラジスマを通した)本当に素晴らしい価値をお客さんに提供できることを非常に嬉しく思います」と語った。

話題のMVを数多く手がける映像ディレクター・関和亮氏がプロデュース、実力派の若手映像クリエイター・市川稜氏が制作した「ラジスマ・ショートムービー」も上映された。「通勤の時も」「遅延のないスポーツ中継も」「勉強中の音楽も」「防災情報も」などと、生活でのあらゆる使用シーンをイメージしている。

FM放送と通信を、
状況に応じていいとこ取り

具体的なラジスマの機能については升家誠司 民放連ラジオ未来経営研究部会長(CBCラジオ社長)がプレゼンテーション。

まず「radiko+FM」アプリの使い方を説明。アプリ上で「FM放送で聴く」ボタンをタップすると「FM OFF」「FM ON」と簡単に切り替えられるスイッチが現れる。このスイッチにより切り替えはワンタッチ。同一番組をワンタッチで放送と通信に切り替えられるのは日本初であること、欧米ではそのようなサービスがすでにあることなどが語られた。しかし、欧米の事例と異なる点はダウンロード数3000万以上の人気アプリ(radiko)を使ってこのような機能を提供することだ。

また、FM放送とインターネットラジオ、両者が聴けるメリットについても説明。
・FM放送:高品質、遅延がない、輻輳がない
・通信:番組表・出演者・楽曲情報などの付加情報、タイムフリー・エリアフリー
これら「いいところを、状況に応じていいとこ取りできる」という点がラジスマのメリットとなる。

災害時などスマートフォンの消費電力を極力少なくしたい際に有用な「チューナーモード」も紹介された。こちらはFM放送受信に特化したモード。バッテリーの消費を極力少なくできるとともに、通信環境が遮断されてしまった場合でも使用できる。

ラジスマ導入の2機種と
ターゲット層の親和性

続いては、そんなラジスマの機能を実装した2機種の詳細が紹介された。

らくらくスマートフォンme F-01L

らくらくスマートフォンme F-01L」について、髙田克美 富士通コネクテッドテクノロジーズ社長は、らくらくスマートフォンのターゲット層と絡め「ラジオは、想像したりイメージを膨らませたり(できる)。シニアの方は物忘れや頭の体操、頭の活性化を気にされる方が結構いらっしゃいますので、そういった側面でもラジオの(想像できるという)機能はこの商品と親和性が高いと感じています」と、ラジスマ導入への期待を語った。

URBANO V04

URBANO V04」について、厳島圭司 京セラ 取締役 通信機器事業本部長は、端末のターゲットが「マイルドダンディー」層=「40〜60代の大人の男性の中でも流行りではなく質実を優先し自分なりのこだわりを持つ方々」がターゲットであると説明。その層は「FMラジオ世代」で「私もやっていました」(厳島氏)というエアチェックを学生時代によく行っており、ラジオに親しみがある点に言及した。

(「ラジスマ発売開始記念式典」レポート2に続く)